【会 期】2024年1月12日(金)- 1月28日(日)
【休 廊】月火水木
【時 間】13:00~17:00
【場 所】gallery neo_/ Senshu (旧:G’s Gallery Tsukuba)
〒305-0047 茨城県つくば市千現1丁目23-4マイコーポ二の宮101
https://goo.gl/maps/eM96mwgMjcfLFvdW6
【入 場】無料
この度gallery neo_/Senshuでは、陶を素材とする気鋭の造形作家 大井真希 ( おおいまき )の個展を開催する運びとなりました。
大井真希は自身の故郷である富山県八尾町の豊かな風土を創作の原点とし、その土地の人々が願いを込め守り続けている伝統の踊りを拠りどころとします。彼女の湧き上がる創作への思いの根源は、土地の歴史とともに育まれてきた踊りの “所作” に由来し、土という自在の素材に対面するとき、彼女の所作としての舞を解き放つかのように具現化されます。そうして生み出されるカタチは、風、舞、自然の脈動、さらには人々の願いを内包するかのように表出されます。
大井は、「人がかたちに対して心を動かされる時、人と対象物との間では確かに何らかの “交感” が行われている。 」と考えます。その瞬間は、作家自身の中で脈動しているものの本質を探る営みであり、また、私たち人間の根元的なもの、山や川、植物、動物、 鉱物、天体といった自然が折々に見せる美しさにヒントがあると信じ陶という素材に向き合います。そうして紡がれたカタチに対峙するとき、私たちは、各々がもつ身体感覚を呼応させ、非生命、生命に関わらずその物自体がもつエネルギーに、自ずから感じ取ろうという姿勢を持たせてくれるように思います。
この機会にぜひご高覧ください。
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流動するかたち
私たちは自らの身体が持つ無数の感覚器官を働かせながら生きています。
ある時心を動かされるかたちとの、幸運な出会いがありました。それは陶という素材でできていました。 この時自分の中に流れている何かが反応したのですが、その本質を捉えることは出来ず、確信だけが残りました。
かたちを作っていく上で、故郷の富山県八尾町の伝統行事である “おわら風の盆” という踊りの「所作」から着想を得ています。五穀豊穣を願うお祭りの名称で、古い町並みが残る石畳の町中を、踊り子たちが生歌に乗せてゆったりとした踊りを披露するというものです。
この町に暮らす人は、年に一度のこの行事の為に後の362日を乗り切るという程にこの3日間を大切にし、伝統を守ってきました。 そしてこの踊りにある、優美と称される所作が、自身の作りたいかたちに対する興味の原点だと感じています。
育った土地の風土が自身の根底にあるのはもちろんですが、日々陶という素材を通し、かたちと向き合う中で、生まれて間もない頃から教え込まれたこの踊りの所作と、身体の芯から染み込んだ、その動きが潜在的に自身の意識下で脈動していることを強く感じます。
また幼少期から18年間を過ごしたこの土地は、北陸の美しい風土に恵まれており、そこに宿る、風、舞、自然の脈動すべてが、今に至る自身の造形の軸となりました。
人がかたちに対して心を動かされる時、人と対象物との間では確かに、何らかの “交感” が行われているように思います。そして陶という素材と長い時間をかけて対話し “交感” し合う中で思いがけないかたちが生まれ始めました。
その尊い瞬間に出会いたくて、そこに、自分の中で脈動しているものの本質を探るヒントがあると信じて、今日もまた、かたちと向き合っています。
大井真希
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大井真希 Maki Oi
https://www.makioi-works.com/
1995 富山県八尾町生まれ
2017 多摩美術大学 美術学部 工芸学科 陶専攻卒業
2019 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 芸術専攻 クラフト領域修了
【個展】
2019.5 「Cantabile」 初個展 (東京都/いりや画廊)
2022.7 『流動するかたち』/Maki Oi Solo Exhibition 『Flowing Shape』」展 EARTH+GALLERY/東京都 木場
2023.8 「いりやKOUBO大賞展」 (東京都/いりや画廊)
【グループ展】
2013.9 Groupゆう展「美術研究所アートジム卒業生有志展」以後隔年 (富山県/富山市民プラザ)
2016.9 多摩美術大学陶研究室選抜展「たまびやき」(東京都/ギャラリーなつか)
2017.2 多摩美術大学工芸学科卒業制作展「ラブ工芸」(東京都表参道/スパイラルガーデン)
2017.2 多摩美術大学工芸学科 卒業制作展 多摩美術大学/東京都 八王子
2017.4 全国美術公募作品展Belladonna Art展 東京都美術館/東京都 上野
2018.1 「Craft6人展 ceramic×glass×urushi」 アートスペース羅針盤/東京都 京橋2018.8 「ceramic exhibition HOME」 Azabujuban Gallery/東京都 麻布十番
2018.9 「第54回神奈川県美術展」 神奈川県民ホール/神奈川県横浜市
2018.10 「第54回神奈川県美術展 巡回展」 厚木市文化会館/神奈川県厚木市
2019.2 「Art Wave Exhibition Vol.53 -創造のイノベーション展」 RECTO VERSO GALLERY/東京都 日本橋
2019.2 「平成30年度 博士前期課程芸術専攻修了制作展」 茨城県つくば美術館/茨城県つくば市
2019.3 「平成30年度 筑波大学芸術賞茗渓会賞受賞作品展」 筑波大学総合交流会館多目的ホール /茨城県つくば市
2019.4 「筑波大学アート・コレクション 新収蔵作品展 2018年度卒業・修了買上作品」 筑波大学芸術系ギャラリー /茨城県つくば市
2019.5 「CONNECT展」 スタジオ ’S/茨城県つくば市
2019.8 「筑波学院大学地域デザインセンター展」 茨城県つくば美術館/茨城県つくば市
2019.10 「豪農の館 内山邸 ー現代アートとの出会い展Ⅱー」 富山県民会館分館 豪農の館 内山邸/富山県富山市
2020.10 「つくば北条アートプロジェクト 2020『⽮中の杜 展覧会』」 ⽮中の杜/茨城県つくば市
2021.11 「暮らし のなかの陶」展 ⽮中の杜/茨城県つくば市
2022.4 つくばアートサイクルプロジェクト2020-2021「アントロポセン-分岐点を超えた景色」 桜民家園/茨城県つくば市
2022.3 「春七彩 はるなないろ 廣澤芸術の森の作家たち展」 ザ・ヒロサワ・シティ/茨城県筑西市
2022.8 「いりやKOUBO審査結果発表展」 (東京都/いりや画廊)
2022.10 「いりやKOUBO受賞者作品展」 東京ガーデンテラス紀尾井町/東京都 紀尾井町
2022.12-2023.3 「旧田水山小学校を文化創造拠点に つくばアートラボ2022-2023 〜田水山でつくる〜」 (茨城県/旧田水山小学校)
2023.2 「いりや画廊企画 11m2の彫刻展」 (東京都/いりや画廊)
2023.10 「セラミック・シナジー展」 (京都府/京都市京セラ美術館 本館2階北回廊)
【展示に関するお問い合わせ】mail:info@neotsukuba.com