【会 期】2024年10月11日(金)- 10月20日(日)
【休 廊】会期中休廊なし
【時 間】13:00-19:00
【場 所】gallery neo_/ Senshu
〒305-0047 茨城県つくば市千現1丁目23-4マイコーポ二の宮101
https://goo.gl/maps/eM96mwgMjcfLFvdW6
【入 場】無料
この度gallery neo_/Senshu では10 月11 日(金)より日本画家 石村雅幸と彫刻家 安藤榮作による二人展「幾千万の魂跡」を開催することとなりました。
石村 雅幸( いしむら まさゆき、1965 年 2 月 16 日 – ) は、公益財団法人日本美術院の「院展」を中心に作品 を発表している茨城県在住の日本画家です。初期は日本の古建築をテーマにしていましたが、2000 年ごろ から巨樹をテーマに作品を制作しています。 毎年発表される秋の院展では、その大きな画面を埋めつくすように巨樹の姿が精細に描かれていますが、そこへ至る工程は自らの目と手、身体のみによって生み出されます。写真や PC などを一切使わず、まさに自然との徹底した対峙によって露にされ、その巨樹が生きてきた長い永久の時間すべても映し出されたようなオーラを纏っています。そこへ描かれる樹皮の皺や何万枚と描かれた枝葉のみならず、まわりに 寄り添う生き物達の命で構成される生命体、そこには私たちを含め生存するという生々しさ、重さをも感じます。またその画面に描かれたものはあたかも樹木のかたちをした曼荼羅のようでもあります。
何もかもが便利になって AI が作品を作り出せる時代になってなお、作家石村は自らの目で見たものをその場所で写し描く写生をとても大事に、木訥に続けてきました。現場で生まれた自然との問答は描かれた葉の数、枝の曲がり、皺の数だけあったことでしょう。
これまで作家が描き出してきた幾千万の魂の痕跡がそこにあります。 デジタルという現代社会に実装されたテクノロジーに対し、自らの目、身体を限界まで駆使する事で生まれる魂の顕在化。それこそが人間の持つ特性をも露にします。瞬間だけを切り取るのではなく、幼木が巨樹へ成長する過程、その間に起こる事象を掬い取り、共感し、画面に写しこまれ、時間を経て木が成長するように絵画が少しずつ 生まれていきます。
もう一人の展示作家は木彫作品を制作する現代アーティストの安藤榮作氏です。
安藤榮作は手斧で原木を削ることによって形を生み出します。
何千、何万と振り下ろされる手斧によってかつて地上に立っていた木から具象や抽象を超えた新たな形がうまれ、光を放ちます。「天と地の和解」、「ひかりのさなぎ」、「宇宙の果実」などこれまでの展示の言葉にも現れる通り、地上に生きる私たちと宇宙、天上との繋がりを、慈しみを湛えた幾千万の魂跡で作られた祈りのかたちが提示してくれます。それは愛に満ちユーモアに溢れていて、それでいて静寂や人々の安寧への祈りがその刻み一つ一つに込められているように感じます。
波が削る流木が美しいように、振り下ろされる斧は無意識や深層の心との繋がりの波となって、そこから生み出される形はあたかも自然が作る造形ような美しさを感じます。手斧が生み出す幾星霜の刻みが作り出すかたちと自然がもたらす年輪や樹木が持つ固さや匂いとが絡み合って存在し、それを前にして感じるものはまさにリアルであり、重さも手触りも今そこにあるという生々しい存在感です。同時に様々な感覚が働くことで自然の中にいる時のように自分の存在へも意識が向かいます。
進歩するテクノロジーの中、重さのない世界であるバーチャルや仮想空間に安堵や享楽を見出し、音楽もデータとして流通するような世の中で、まず私たちは重さのある存在そのものなんだと改めて気づかされます。
映像の向こう側で起こる紛争、戦争で犠牲になる命、命を奪うために進歩するテクノロジー。人類が生み出した道具の中でもまさに原初に生み出された道具である斧、その斧でただひたすら削りだした形の中に刻み込まれた幾千万の魂跡が本当に大事なものは何かを問かけます。
石村、安藤二人の作家の魂跡をこの機会にご高覧頂けたら幸いです。
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石村雅幸 / Masayuki Ishimura
福岡県糟屋郡古賀町(現:古賀市)で生まれる
出身(本籍)地は愛媛県四国中央市(旧・川之江市金生町)
1988 年
玉川大学芸術学科美術専攻日本画課程を首席卒業
小原哲郎学長より玉川奨学金受領
卒業制作「鳳凰堂冬日」同大学買上(経塚オフィス棟ラウンジに常設展示)。
1989 年
第43 回春の院展に『門(金沢城石川門)』が初入選(入選29 回)
再興73 回院展に『城門(金沢城石川門)』が初入選(入選32 回)
1996 年
第1 回 東京日本画新鋭選抜展(今治市大三島美術館)以後第3 回まで選抜
2011 年
ドキュメントインタビュー映像作品「日本画家 石村雅幸 奈義町菩提寺の大銀杏を描く」が岡山県勝田郡奈義町の奈義町現代美術館により制作(撮影: 井出豊)
2013 年
式年遷宮の年には、伊勢神宮美術館企画の「 歌会始によせて-立-特別展」に選抜
2015 年
関東最古の水神を祀る蛟蝄神社(茨城県北相馬郡利根町)の天井格子画4 面を制作
2016 年
「巨樹の声を聴けー石村雅幸展」(茨城県水戸市・常陽藝文センターギャラリー企画)
2021 年
第二回玉川大学玉川学園学友会文化芸術展選抜 以後毎年
現 在
師:故森田曠平・伊藤髟耳
所属:公益財団法人日本美術院特待、茨城美術会副会長、茨城県展委員、玉川大学玉川学園学友会文化芸術展実行委員、雅幸画房日本画教室 主宰
【受賞】
2006 年
再興第91 回院展にて『精魄(せいはく)』奨励賞
2007 年
第62 回春の院展にて『寒樹炎炎(かんじゅえんえん)』奨励賞
2008 年
第63 回春の院展にて『静黙(せいもく)』奨励賞、再興第93 回院展にて『魂(みたま)』奨励賞
2009 年
第64 回春の院展にて『杜穀(とこく)』奨励賞、茨城県展にて木村武山賞
2010 年
第65 回春の院展にて『柏槙(びゃくしん)」無鑑査・奨励賞
2011 年
再興第98 回院展にて『長閑(ちょうかん) 』奨励賞、茨城県展にて永田春水賞
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安藤榮作 / Eisaku Ando
1961 東京都に生まれる
1986 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
1990 福島県いわき市の山間部に移住
1997 エッセイ集「降りてくる空気」出版
2007 いわき市の海沿いに移住
2011 東日本大震災の津波により家を流され、原発事故を機に奈良県明日香村に避難
2012 奈良県天理市に移住
2013 絵本「あくしゅだ」をクレヨンハウスから出版
2017 第 28 回平櫛田中賞受賞
2019 第 10 回円空大賞・円空賞受賞
2024
「宇宙の果実・始まりの音」GALLERY TAGA 2 / 東京
「宇宙の果実たち・安藤榮作木彫新作展」ギャラリーいわき / 福島 97, ’00, ’02, ’04, ’06, ’08, ’10, ’12, ’14, ’16, ’18, ’20, ’22,
「宇宙の果実たち」ギャラリー勇斎 / 奈良 15,’18, ’21,
「安藤榮作展・ドローイング」河野邸 / 大阪
2023
「迷いと出口」MU 東心斎橋画廊 / 大阪 16,’20
2022
「手びねり木彫」GALLERY TAGA 2 / 東京
「斧あそび」堺町画廊 / 京都 ’17
「安藤榮作展・磁力の核へ」京都場 / 京都
「Dedicate to Noble Souls」ギャルリー志門 / 東京 09, ’11, ’12, ’14, ’15, ’17, ’19,
2021
「安藤榮作展 磁力の核へ」CAFE&SPACE NANAWATA / 埼玉
「COLLECTON× 安藤榮作」GALLERY TAGA 2 / 東京
2020
「安藤榮作展・Dedicated to 3.11」GALLERY TAGA 2 / 東京
2019
「Eisaku ANDO」Galerie Grand E’terna / パリ
2018
「空気の狭間」GALLERY TAGA 2 / 東京
2017
「第 28 回平櫛田中賞受賞記念・安藤榮作展《SOUL LIFE SPIRIT》」井原市立田中美術館 / 岡山
「平櫛田中賞受賞記念・安藤榮作展」日本橋高島屋 / 東京
「安藤榮作展 RAY 光の河・光の滝」センサート ギャラリー / 三重
2016
「安藤 榮作 ・ 彫刻おもちゃ」GALLERY TAGA 2 / 東京
「約束の船・2016 安藤栄作展」Gallery OUT of PLACE / 奈良
2015
「安藤栄作展」ギャラリーアーティスロング / 京都
「安藤栄作展」堤側庵ギャラリー / 三重
2014
「ほにゃらか彫刻展」GALLERY TAGA 2 / 東京
ギャラリーあしやシューレ / 兵庫 ’12
2013
「光のさなぎ・安藤栄作展」APS&ギャラリーカメリア / 東京
「光のさなぎたち・安藤栄作展」原爆の図 丸木美術館 / 埼玉
「やおよろず会議・安藤栄作展」ギャラリーメゾンダール / 大阪
2012
「ドローイング展・安藤栄作」沖縄芸術大学 / 沖縄
2011
「天と地の和解・安藤栄作展」橘画廊 / 大阪
2010
「a piece of work #17 安藤榮作展 」a piece of space APS / 東京
2009
「Being・安藤栄作展」アートワークスギャラリー / 茨城
「安藤栄作・野生の記憶」京都造形芸術大学芸術館 / 京都
2007
「Breeze of Soul・EISAKU ANDO」エキジビションスペース・東京国際フォーラム / 東京
2003
「N・E・blood 21 vol6 EISAKU ANDO」リアスアーク美術館 / 宮城
2001
GALLERY TAGA / 東京 ’95,’97, ’98, ’99
「アボリジニに捧ぐ―森の人からのメッセージ・安藤栄作展」いわき市立美術館 / 福島 ’92
1997
「いわき地域学会美術賞記念・安藤栄作展」ギャラリー界隈 / 福島
1993
「10 画廊からの発言・安藤栄作展」ギャラリー K / 東京
【展示に関するお問い合わせ】
mail:info@neotsukuba.com