【会 期】2023年4月1日(土)- 4月22日(土)
【休 廊】月火水木
【時 間】13 -17 時(最終日は15時まで)
【場 所】G’s Gallery Tsukuba
〒305-0047 茨城県つくば市千現1丁目23-4マイコーポ二の宮101
https://goo.gl/maps/eM96mwgMjcfLFvdW6
【入 場】無料
【企 画】gallery neo_(合同会社ネオつくばプロジェクト)
この度、gallery neo_ は、G’ s Gallery Tsukuba にて版画家 佐藤瑞季 ( さとうみずき ) の個展を開催する運びとなりました。 佐藤は、大学院在学中より水性木版を用いて「水」についての作品に向き合い、薄い和紙に摺ったイメージをレイヤーにすることで構成し新たなイメージを表出させます。
作家と「水」との関係は故郷の佐賀の山麓で過ごした子供時代に遡ります。幼少期に親しんでいた水は、「晴れればプールとは比にならないほど面白い絶好の遊び場であったし、雨が降れば濁流が押し寄せる危険な場所でもあった。いつも飛び移って遊んでいた岩の配置が、ある大雨のあとに変わっていたこともあった。」といいます。生活の中に水との豊かな関係があり、穏やかな”せせらぎ”にも破壊的な”濁流”にもなる水の在り方に触れる環境で育まれた感覚は作家のアイデンティティーの一部と言えるのかもしれません。
現在、人と関わる仕事の傍ら制作を続ける佐藤は、「版を磨き、木を彫り、何度も摺り、色を見つけていく行為は、自分自身が唯一全体から離れて『個』に戻れる時間」であり、「私という人間を整えるための生存戦略である。」と話します。
しかし、そうして生み出される作品は”生存戦略”という強い言葉とはかけ離れ、その微かな色のレイヤーによって重ねられた曖昧な輪郭線は、霧のように現れ、観るものの心象を映し出す鏡のようでもあります。
従来の版画が「複数の版を重ねて画面を構成する」という特性であるのに対し、佐藤のそれは、性質・工程を分解し、分解したまま「版」という存在を再構成する試みです。佐藤は、同時に自身の制作を「思考の新陳代謝」と捉えます。「もともと一つの場所に留まることが苦手な性格であるため、複数のコミュニティを反復横跳びするように生きてきた。定まった場所・定まった感覚の会話や考え方が繰り返されることで、まるで滞留した水が腐っていくように、自分自身の思考が鈍化していく。」 作家独自の版画手法によって行われる分解、再構成の工程を通して自身の気が浄化されるのです。
まさに
行く川のながれは絶えずして、しかも本(もと)の水にあらず
(鴨長明『方丈記』)
「すきまのかたち」と題された本展では、その制作の過程に触れるとともに、 新作を含む約10点を展示販売いたします。この機会にぜひご高覧いただけ ますと幸いです。
佐藤 瑞季
1993 佐賀県出身
2016 筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画コース(特別カリキュラム版画) 卒業
2016 スウェーデン王立美術大学 留学(10ヶ月)
2019 筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻洋画コース(版画) 修了
主な展示
2017 日本版画協会第85回版画展(東京都美術館/東京)
筑波大学版画展 版の上にも9年(文房堂ギャラリー/東京) ※2013年より参加
2018 日本版画協会第86回版画展(東京都美術館/東京)
2019 筑波大学版画展 版の上にも10年(文房堂ギャラリー/東京)
9月の版画展(GALLERY KINGYO /東京)
2020 9月の版画展(GALLERY KINGYO /東京)
2022 ”2” 佐藤瑞季・瀧本泰士 二人展(笠間の家/茨城)
【展示に関するお問い合わせ】
mail:info@neotsukuba.com